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茶臼について お話をさせていただきます。

石臼の起源は古代エジプト時代にサドルカーンと呼ばれる道具を使用していたのが 始まりと言われています。その後西ヨーロッパから東へ広まり回転式の臼が登場したのは紀元前800年ごろだそうです。石器時代から人と道具としての石は関わりあいが長く続いています。このコーナーでは このような石からつくられた抹茶臼について詳しくご案内いたします。

    茶臼概要

西暦800年前後に中国で作られた抹茶臼は その後日本に届き改善されながら今日の茶臼になっています。とは言え最近は茶臼を見かけることがなくなりました。昔は抹茶を購入するためには、まず抹茶の原料となる『碾茶』を購入したのち、別に料金を支払い碾茶を挽き抹茶にしてもらっていたのです。茶臼はとても高価なため各家庭にはもちろんのこと お茶屋さんにすらないこともありました。それゆえに当時は『挽き屋」という商いのようなところがあり、そこに碾茶を持参し挽いていただいていたのです。

言うまでもなく、電力がとおるまで 茶臼挽は手動です。しかも主に女性のお仕事でした。

このページでは 茶臼について 詳しくお話をしたいと思います。ぜひご覧ください(^^)/


茶臼の構造

茶臼の分解画像
茶臼を分解すると上の部分(上臼)、
下の部分(下臼)に分かれます。

茶臼に使用される石は主に花崗岩、輝緑岩、牛岩石などがあります。木でできた挽き木は樫の木で作られているのが多いです。大きな石の塊を円形にくりぬく作業は機械で行いますが それ以外のほとんどの加工は技術者の手作業で仕上げます。


石と石をすり合わせて食料を加工する技術は人類が大昔から取り組んできた方法ですね。

茶臼を挽くときに聞かれるのが 
「どちらの方向に回転させるのですか?」
です。

答えは 時計と反対の方向に回すのです。



下臼 芯木
下臼の画像です。溝が切られていて8個の枠に分かれているのがわかりますでしょうか!この枠は地域により様々です。作業工程は 上から注いだ碾茶は上臼の回転に合わせて芯木に沿いながら下に落ちていきます。落下する際、上臼の穴と芯木のすき間を碾茶が通りながら碾茶を剝がすように細かくなっていきます。
芯木と上臼のすき間を確保する微妙な技術が出来上がりの抹茶の質を大きく左右します。製作者の腕の見せ所です。なお芯木は摩擦により消耗しますので経年劣化とともに交換します。
この茶臼の下臼のサイズは直径38センチ、重量約15kgです。

臼のサイズはおおよそ決まっています。
現在 多くの茶工場で使用されている電動で動かす茶臼は ほとんどが直径 尺一寸といわれる33センチで、重量が25kgほどです。時折 45センチの茶臼もあります。
茶臼が小さく軽いと出来上がりの抹茶の粒子は荒くなり点てにくくのど越しが悪い抹茶になり、逆に茶臼が大きすぎると出来上がりの抹茶の粒子は細かくなりすぎ 色が白くなり、ダマになりやすい抹茶になります。

下臼 溝と外周淵
溝は1マスあたり13本から14本あります。この溝は
1,落下してきた碾茶を臼の外側へ送り出す役割
2,こもる熱を逃がすベンチレーション的役割
3,碾茶を剥がすように細かくする役割を担います。

外周の淵をご覧いただきますと溝が淵の端までないことにお気付きでしょうか! この理由は 溝をなくすことにより最後の端の部分で 碾茶をより一層細かくするためです。粒子を程よく細かい抹茶は点てやすく飲むときののど越しもよいのです。

中国から茶臼が伝搬した平安時代や鎌倉時代のころは、この溝は茶臼の端まであったそうですが1400年台からの茶道の発展とともに溝を端まで切ることがなくなりました。

参考までに 抹茶臼以外の臼(そば用、麦用等)は溝を端まで切ってあります。

この部分の加工技術にも製作者の方の技が光ります。




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上臼
上臼です。下臼と同じく8マスになっています。中心部分の穴に下臼の芯木がはまり 茶臼を安定して回転させながら碾茶を挽きます。

上臼の大きな特徴は中心にある穴から外に向かい数センチほどの部分がくぼんでいます。上から落下しながら挽き落ちてきた碾茶はまず この「ふくみ」と呼ばれるくぼみの部分にたまります。

また経年劣化とともに茶臼の石は摩耗します。石の調整は主にこの上臼部分を 技術者の方が調整しています。
挽き出る抹茶
これまで見てきたように 茶臼上部から淹れた碾茶はやがてこの上臼と下臼のすき間から挽き出されます。

挽きだされる速度は臼や外気温、湿度などにより同じ臼でも違いが生じます。

私の手挽き臼では 10分間回して約2gほどの生産量です。
一般的茶工場にある電動で動かす直径33センチの茶臼でも
1時間当たり40gほどだそうです。

抹茶が貴重かつ高価である理由の一つです。

挽き木
茶臼を回すときに手にもつ「挽き木」です。
外側を他竹筒でカバーし、内側の木は 主に樫の木を使用しています。

茶臼に差し込んで使うので 臼を削る穴のサイズに挽き木の差し込み部分のサイズを合わせる必要があります。
この部分の政策も茶臼を作る際に技術者の方に制作いただいています。

外側の竹の部分は今日ではホームセンターで細い竹を購入しきることにより代替えは可能です。

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挽き終えた後の茶臼内部
挽きはじめは碾茶を挽いて上下臼を重ねます
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私の茶臼を制作いただいた
伝統工芸士 大島様です。

現在 茶臼を生産されている地域は非常に少なくなっています。

私の使用する茶臼は 愛知県岡崎市で石材店を営まれ「伝統工芸士」の認定を受けている『大島石材店』の大島正彦さんの手により制作していただきました。

岡崎市では 茶臼に適した ‘牛岩石‘と呼ばれる石が採掘されます。硬すぎず柔らかすぎない石です。
常に回転し上下の石をすり合わせる作業が続く '臼‘にとって硬すぎる石は摩耗が激しく頻繁に目立てを必要としてしまいます。
逆に柔らかすぎる石だと、思うように細かい粒子に挽くことが困難になります。程よい硬さの石が採掘される場所は限られてくるわけです。

大島さんは お庭の石碑や灯篭、お墓の石碑などを制作されていたのですが、石材の中でも高度な技術を要する茶臼制作に挑戦したいと思い、奮起し挑戦したのが 大島さんにとっての茶臼作りの始まりだと伺いました。

茶臼について ご興味ある方はyoutubeから より分かりやすく配信しておりますので下記より是非ご覧ください。
👇

茶臼講座
 (構造編) 
youtube

茶臼講座 
(挽く編)
youtube